とても危険な残り湯の沸かし直し
お風呂のお湯を節水の為に、二日以上使用してますか?
残り湯を翌日以降も沸かし直して入浴するのは、たしかに節水効果は大きいと思いますが、医学的には、お勧め出来ないという結論が発表されています。
その理由として、残り湯の中には、細菌にとって栄養分になる人から出た汚れが必ず含まれており、ここに「温め直す」という行為が、細菌が大繁殖するための環境が整ってしまうからです。
実証例として、成人5名が入浴した残り湯を一晩おいて翌朝検査をしたところ、大腸菌群が残り湯100mL中に2万5千~26万も認められたという報告がありました。もともと、日本の水道水は基準が大変厳しく、国の水道水質基準によると大腸菌は「検出されない事」が前提にありますので、この大腸菌群はもともと水道水に含まれていたものではなく、入浴した人の体に付着していた大腸菌が、温かいお湯で入浴した人から出た汚れを栄養分にして、一晩で大増殖したものと考えられます。
また、沸かし直しをしたところで殺菌されるほどお湯の温度は上がりませんし、残り湯を一晩取っておいて、翌日沸かし直して入浴するということは、ばい菌だらけの湯に浸かるということになってしまいます。このことから考えると翌日の沸かし湯への入浴はお勧めできないと言えます。
抵抗力の弱い赤ちゃんは要注意です!
生後5カ月までの赤ちゃんは、成人と比較すると抵抗力が低く、赤ちゃんが引き起こす細菌性髄膜炎の原因として、B群連鎖球菌と大腸菌が報告されています。
大腸菌は新生児では髄膜炎を起こし、ブドウ球菌は皮膚に水疱などを作る伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん:とびひ)の原因になります。特に子どもは皮膚も消化管も弱いので、湿疹や下痢、腹痛などの症状も出やすいと言えるでしょう。またこれらの細菌は、いずれも胃腸炎の原因になってしまいます。
お風呂に潜む菌を増やさない為にする事
お風呂で菌が繁殖する条件となるのは、温度と湿度が重要です。細菌が最も増える温度は36℃前後ですが、60℃でも生きることができ、湿度が50%以上あると繁殖できます。
浴室の温度を下げること…10℃以下が望ましいので、冬なら換気をしておきたい
浴室の湿度を下げること…湿度50%以下にするために、浴室乾燥機があれば使用する
・床や浴槽を洗剤を使って洗うこと
・お風呂の後もしっかりと洗い流して、乾燥させること
・浴槽の蓋をしっかりと洗うこと
・窓際など、目立たない所に気をつけること
・追いだき用の配管も掃除すること
床や浴槽などはもちろん、特に追いだき用の配管などは目に見えないので、普段から配管用の洗剤を使い、掃除をしてお風呂の除菌に心掛けましょう。
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